ライフスタイルを感じられる場所

”家を建てる”ことは、人生に一度あるかないか

そんな機会に幾度となく立ち合い、数々の人の夢を与えた建築家が建てたご自宅を訪問してきました。

商業空間などを多く手掛けるPuddle(パドル)の代表であり、建築家・デザイナーの加藤匡毅氏とコミュニケーションデザイナーのパートナー・奈香(なか)氏、そしてお子さんの家族構成。
商業施設と閑静な住宅地の中間に位置するエリアは、クリエイティブな仕事に携わるお二人にとって、住宅とアトリエを一つにできる希望通りのロケーション。ガレージだった1階を事務所に、2-3階を自宅スペースとして改装しました。
集中とリラックス。双方が共存する、珈琲の香り漂うアトリエ。そこでお二人の言葉を借りれば「実験的な暮らし」が始まりました。
息の合ったお二人ですが、ライフスタイル、好みは結婚当初で異なっていたそうです。
たとえば鍋の買い揃え方。その機能や必要性を吟味し二人で話し合い、断捨離を敢行。
固定概念に囚われず、視点を変え、好きなものを残すことで改めて自分たちの心地良い場所を再構築しました。その結果、モノを選ぶ視点も変わってきたと言います。
そうして暮らすうちに、互いへの理解が深まっていったそうです。
​​​​​​​リノベーションにあたってのコンセプトは特にないそう。こうしなければならないという縛りを敢えてつくらず、今までやってきた事や「自分たちのライフスタイル」を感じられる場所にしたかったと、加藤氏はリノベーションを経た自宅について語りました。

キッチンは家の中で最もクリエイティブな場所

「キッチンは家の中で最もクリエイティブな場所。だから、キッチンは家の中心にあるべきなんです。そして妻はそこの主役。だから、彼女のニーズを多く取り入れて設計しました。」
加藤氏の言葉通り、キッチンはすっきりとして機能的。そして様々なアイデアにあふれています。

人を招くことが多いので隠し扉は便利だそう。シンクには浄水器と一体型のキッチン水栓。小さな子供のいる家庭では安全で使いやすく、大好きな珈琲を淹れることも楽に行えます。
引き出し式のスパウトは、シンクを洗浄する際にも使い勝手が良く、キッチンを美しく保つことができます。
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キッチンカウンターの下は両端にスピーカーが設置されており、ブルーのファブリックは通常スピーカーに使用される"サランネット"を採用。ファブリックは季節に応じて張り替える楽しさも感じているそう。
​​​​​​​「大きなスピーカーにシンクがついているようなもの」と笑う加藤夫妻。音を奏でるキッチンは、お客様をもてなすエンターテイメントのひとつ。サプライズの楽しさもあり、スペース効率が重要とされる都心暮らしのアイデアにもなります。

バスルームでの朝の過ごし方

光を多く取り入れられるよう、様々な場所に明かりを取り入れる為に設けられたガラスの開口部。晴れた日には空の青さを、雨の日には雨音を聞きながら、日々の暮らしを愛しみます。
バスルームの天井にも、開口部を奈香氏には秘密に、サプライズで取り入れました。

バスルームのコンセプトは"シンプル"。採用したバスルームプロダクトには力があるので、その他のことを出来るだけシンプルにするように心掛け、できるだけ手を加えなかったそうです。ワンアクションで済む手軽さが気に入ったという機能性とデザイン性を備えた"モノ"の力を活かすことに専念したと加藤氏は語ります。
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朝のシャワーでテンションを上げまくるというシャワー好きの加藤氏。「自然の雨に打たれることも好きで、自宅を改修したら、オーバーヘッドシャワーを取り入れることが夢だったんです」。一方、奈香氏はバスタブ派。バスタブの脇に腰かけてゆったりとした時間を楽しまれるそう。お忙しいお二人のライフスタイルの中に、水との関わりは、重要な位置を占めているようです。
「意匠性に加え、昨日が満たされたバスルームが、使い手に何をもたらしてくれるのか。どんな違いがあるのか。水まわりについて、自分たちが経験した心地良さをもっと広めること、それは僕たちの使命でもある。」と加藤氏。
「なにかと住宅の隅にまとめられてきた水まわり。設計士として考えるのは、"バスルームをブラックボックスにしない"こと。バスルームを使用していない時間も、その存在を感じられるよう、同じ空間として捉えるようにしています。」
 
加藤家の実験的な暮らしは、まだまだ進化するようです。
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