キッチンジャーナリスト 本間美紀

キッチンのプロが選ぶキッチン

キッチンジャーナリスト 本間美紀氏の愛用水栓

世界各国で取材を行い、いち早くキッチンのトレンドをキャッチする本間氏。

素晴らしい審美眼をもつ彼女が愛用しているキッチン水栓について、インタビューを行いました。

手元でカチカチが、こんなに心地いいなんて。最近、私のキッチンにはリズミカルな音が響いている。なんと水栓金具です。
 
ドイツ・アクサーの「チッテリオ セレクト」というもの。私は永くキッチンやその設備を取材しているのですが、この製品の説明を受けた時に、内心「面白いものが出た!」と思っていたのです。水栓の先が伸び、手元でカチカチとボタンを押して吐水の開閉ができるんです。
ひねる蛇口から、レバーを操作する水栓へ。そして今は使う人が手元で開閉できる機能へ。これはデザイン系の水栓金具は、ヘッド引き出し型が増え、ホースを伸ばして使うことが主流になっています。
 
​​​​​​​シンクの中を洗うのはもちろん、お鍋や電気ケトルにお水を入れる時もカウンターに置いたまま、水栓を伸ばせないいのです。その時に手元でカチカチ、開閉ができるって本当に便利だと思いました。
実は私のキッチンはちょっと変わっていて、シンクに蓋をしてすっかり隠せるようになっています。
これまでは一般的なレバーを水栓側で開閉するタイプを使っていました。普通のキッチンなら全く問題ないのですが、うちの場合は蓋を閉めるのでワークトップに水栓を取り付けています。濡れた手でレバーを操作するとどうしても根元に水がかかり、汚れがたまってしまうのが
気になっていました。手元で開閉できるセレクト機能に変えてから、汚れもぐっと減ったのです。
もうひとつ気に入っているのは形です。オープンキッチンなので、水栓金具のフォルムが美しいことが大切でした。これはアントニオ・チッテリオのデザインで、とてもタイムレスな感じがします。特にお気に入りは先端のT字型の形状。手にぴったりフィットしてカチカチ。水栓金具をこんな風に使う日が来るなんて、時代は変わりました。
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​​​​​​​​私の持論は「水栓金具はキッチンツール」。包丁やレードルやしゃもじのように、毎日手にとって使うもの。気に入ったものを選ぶことがとても大切だと思います。
 
​​​​​​​今日もカチカチ、快適なキッチンワークです。
本間美紀
ジャーナリスト(キッチン、インテリア、住まい、デザイン)
 早稲田大学文学部卒業後、インテリアの専門誌の編集部に入社。独立後は、キッチンとインテリア、家具、家電、料理道具まで、生活のデザインをめぐる執筆、編集活動を行う。住宅の取材はすでに300件以上、暮らしの現場でのインタビューを大切にしている。ドイツ、イタリア、スイス、北欧など海外取材も多数。
著書「リアルキッチン&インテリア」(年1回)のほか、近著にプロ向け解説本「デザインキッチンの新しい選び方」(学芸出版社)
ウェブマガジン「リアルキッチン&インテリア」内でも執筆しています。
「ハンスグローエ デザイン水栓を極める」
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