17年使い込んだチーク材キッチンの再生プロジェクト

サスティナブル リノベーション

Photo by 岡村享則 (Yukinori Okamura)
Photo by 岡村享則 (Yukinori Okamura)

無垢の集成チーク材でインテリアと一体化した「木のキッチンの再生プロジェクト」が今回のテーマ。現場は都内の中古マンション。


2007年にブルースタジオ時代の大山啓さんと住まい全体をリノベーション。 17 年を経て、 空間 的にリフレッシュ、木部(特にワークトップ のメンテンナンス、 キッチン設備や収納の機能をアップグレードし、長く使い込んだキッチンを新しい時代、変化したライフスタイルに調和したもの に生まれ変わらせるプロジェクトです 。


大きなポイントは、ユーザーの間違ったお手入れで傷んでしまったチーク集成材のカウンタートップのメンテナンス。ドイツ の木材、塗料を扱う「オスモ&エーデル」 チームによる、塗装はがしや木材の磨き直しで 無垢の木の素質を再生。ワークトップ、そして同素材のテーブルの塗装は新発売のウッドカウンター専門の自然塗料で仕上げています。木材の手触りは残し、木が呼吸しながら撥水性を発揮する塗料です。

Photo by 岡村享則 (Yukinori Okamura)

「アクサーチッテリオ セレクト」を選んだ理由は明確でした。

木のワークトップだからです。

ワークトップに専用の塗料が施されているといっても、やはりレバーに手を伸ばすと、濡れた手か水が木のトップに掛かってしまいます。そのため、水栓の根元に汚れが溜まりやすく、木のトップも傷みやすくなるので悩みの種でした。

ハンスグローエの製品には「セレクト」というカチカチと操作感で水流を切り替えられる製品機能があります。シャワー、キッチン水栓などすべてに共通した考え方です。

シンクの上でスパウトにセレクトボタンがつき、シンク内で吐水の開閉ができる、という新作が出た(当時)と聞き、私はすぐに水栓の交換を決めました。シャワーヘッドが伸びるので、シンク内の好きな位置で吐水ができます。シンクが幅90cmと大きいのですが、自在にシャワーを伸ばして好きな位置でカチカチ吐水。

本当に便利!

しかも浄水メーカー東レのトレビーノブランチを一緒に設置できるので、同じ水栓を浄水に切り替えて葉野菜を洗うこともできます。これは好きな水栓に浄水機能をプラスできるもので、ハンスグローエ社の全ての水栓に対応しています。

水栓根元の濡れを少しでも防ぐことができ、広いシンク内の好きな位置に手元で吐水開閉。水栓ボディにシャワーが搭載されたハンスグローエの“アクノセレクトM71”にも惹かれて、すごく迷いましたが設置条件もあり、今回はこのセレクト一択となりました。

オープンキッチンで水栓が空間の中央にくるので、アントニオ・チッテリオがデザインしたアクサーブランドを選んだことにも満足しています。

レバーが美しいんです。
Photo by 岡村享則 (Yukinori Okamura)
Photo by 岡村享則 (Yukinori Okamura)

木製ワークトップには新たに特注したリブ付きのシンクをアンダーから施工。これがぴったりとはまった時は、設計者も施工会社も大歓声。既存のシンク(これも当時の特注手板金制作)を正確に採寸して再現した精密なシンク製作が成功の鍵でした。


古い4口ガスコンロは、新たに電気配線をし直し、マニッシュなブラック デザインのIH+ガスのハイブリッド機器に交換。ビルトインの電気ウォーター オーブンもキャビネットに設置して、調理機能をアップグレード 。レンジフードはすっきりとしたフォルムの高機能デザインタイプに。

壁側のニッチ的な収納スペースも折戸のサイズや用途を明確に追い込んだ収納を計画して制作しなおしました(従来は既存の棚を入れただけの収納、折戸のサイズも大きく開閉時に人が通れなかった)。玄関収納も床や手持ちの家具とイメージを合わせて造作。
大きな間取り変更やインテリア計画はありませんでしたが、細かなメンテナンスでキッチンの寿命は伸び、結論としてはとにかく料理と家事、収納 が楽しくなった。

これからの時代のサステナブルリノベーションです。

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アクサーチッテリオセレクト キッチン混合水栓

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